多体系における集団運動と個別運動

摘要

学部の力学の授業では1粒子系と2粒子系の問題をいくつも解いた． しかし，3粒子系になると一般には解析的に解けなくなる． ところが粒子数が非常に多くなると，個々の粒子の運動に加えて，それらを重ね合わせた集団的な運動モードが出現し，フーリ工変換を用いて解析することが可能となる． その例として電子の集団的な振舞いを調べることにしよう． 金属中では多数の電子が自由に動き回っているし，原子が電離したプラズマでは電子とイオンが自由に運動している． 力学，電磁気学，統計力学を総動員して多体問題を解いてみよう．