後藤先生の思い出

摘要

1965年6月12日後藤英一先生が74歳でおなくなりになりました。 後藤先生は日本の数式処理の恩人です。 1960年代の後半からわたしを含めた若い無名の研究者達が細々と研究を続けていたとき、1970年代の前半にいたって当時高名な東大教授の後藤先生が数式処理の分野に参入したということは大変驚くべきことに感じられると同時に、大変名誉なことに思われました。今では想像もつかないことかも知れませんが、1965年くらいまでは東大の数学教室ではコンピュータに関係したものはおろか応用数学の居場所もあまりないかの感がありました。