通勤電車の遅延計算モデル

摘要

東京を中心とする首都圏における鉄道は，毎朝，約800万人の通勤通学客に利用されており，乗客が集中するラッシュ時間滞では激しく混雑している．通常，電車が混雑すればするほど，人の乗降にかかる時間は長くなり，遅延が発生する．遅延が生ずると，後続電車が影響を受けること，また，先々の駅で侍っている人が溜まることで，さらに乗降時間が長くなり．遅延が拡大していく［3，8］．鉄道会社では，混雑による乗降時間の拡大を予iRlルて，混雑時には標準的な所要時間よりも余裕を持ったスケジュールを組んでいる．例えば，東急田園都市線の普通電串における中央林間－渋谷間の平均所要時間は，早朝および深夜は49分であるのに対し，急行通過待ち合わせがあるため日中は55分，ラッシュ時間帯 i谷駅到着時刻7：30－9：00）は60分となっている．東急電鉄が公表している同駅間の標準所要時間は49分であるので，口中では6分，ラッシュ時間帯では11分の余裕時間を持っている．したがって，遅延が短ければ，この余裕時間で吸収してラッシュ時間帯においても時刻表どおりに運行される．しかし，鉄道会社の想定を上回る遅延が発生した場合は，余裕時間でl馴収しきれなくなr），時刻表からの遅延が発生する．