対処的悲観者の用いる対処方略の検討-Goodness of Fit仮説の観点から-

摘要

近年，個人の適応や心身の健康と関連する概念として楽観性·悲観性が注目され（Seligman，2000），主に楽観性が適応的とされてきた（Peterson，2000）。 その一方で，個人特性と認知方略との適合性を重視した立場から，特性不安の高い個人がパフォーマンスを高めるためには，対処的悲観性（Defensive Pessimism）が有効であるとされている（Norem，2001a）。 対処的悲観性は，不安や悲観性の高いアジア人においてより適用可能性が高いとされ（Chang＆Asakawa，2003），わが国における検討意義が高い概念である（Hosogoshi＆Kodama，2005）。