GNSS搭載魚群探知機を利用した水底地形調査

摘要

光を通さない海底や湖底の調査においては,音波を用いた探査技術の利用が重要であり,さまざまな周波数の音波発信源と受信機からなる装置(ソナー)が用いられています。現在では,このソナーにより水底地形図,地層の密度差などを反映した地質構造断面図,水底表面で反射する音波の強度を利用した底質分布図などが作られています。これらは,船舶の安全航行に必要な海図の作成,海底に眠る地質資源の探査,地震?火山活動の監視および原因の解明に役立てられています。このような,ソナーを用いた調査を行うためには,専門的かつ高度な技術と装置が必要であり導入へのハードルが極めて高いものとなっています。一方で,ソナーの最も身近な例が魚群探知機です。魚群探知機は船の真下の魚群や水底面の深度を検出し,それを,液晶などの画面に映し出すことができる装置です。これにより船上で画面(ソナー画像)を観察しているだけで魚の量や水底面の深度がわかるため,安全で効率的な漁業において欠かせないものとなっています。専門用途のソナーと比較して魚群探知機として販売されているものは安価であり,レジャーの釣りでも身近ですので,読者の皆様の中にでも詳しい方も多いと思います。