特集：合成開口レーダーの測地学·地球科学研究への応用

摘要

20世紀最後の10年間に，合成開口レーダー（Synthetic Aperture Radar：以下SAR）を用いた測地学·地球科学研究は大きな発展を遂げ，今やSARは測地学·地球科学研究に不可欠のツールとなっている．しかし残念なことに，我が国においては深い植生や急峻な地形のためLバンド（波長～ 20m）SARが不可欠であったが，世界で唯一LバンドSARを搭載していた地球資源衛星ふよう1号Japanese Earth Resources Satellite-1：以下，JERS-1）が1998年で運用終了したことから，研究に停滞が生じた．そのため，新しいLバンドSARを搭載した衛星の打ち上げが待たれていた．