2周波GPS長基線キネマチック解におけるワイドレンの利用（2）－エポック間隔と計測時間長の影響－

摘要

第1報では，HMW結合（Hatch（1982），Melbourne（1985），Wtibbena（1985））によりワイドレーン結合の初期位相不定性が基線長に関係なく正確に求まること，IONEX（Hugeltobleretal．（2001））などの外部から供給される広域の電離層情報で電離層遅延の平均的成分の2重差が0．1m程度の精度で推定できること，およびジオメトリィフリー結合により電離層遅延の変動成分の2重差が正確に求まることを用いる，2周波長基線キネマチック測位の正しい解あるいは精度の高い近似解を求める理論とアルゴリズムについて述べた．すなわち，上述の条件の下で，ワイドレーン結合によりかなり正確な観測点の座標がえられるので，これを用いて，電離層フリー結合での測位計算を拘束する．スタチック測位の時に，観測点の座棟が定数であるという拘束を掛けることに相当する