現場引抜き試験による拡孔支圧型アンカーの支持機構に関する考察

摘要

グラウンドアンカーは，支持機構により周面摩擦型アンカーと拡孔支圧型アンカーがある。周面摩擦型アンカーは，グラウトと設置地盤との周面摩擦抵抗によりアンカー力を地盤に伝達する方式のアンカーである。一方，拡孔支圧型アンカーは，アンカー体部を拡孔し，そこに球根状の支圧体を造成し，その支圧体の肩部と地盤との支圧抵抗によりアンカー力を地盤に伝達するアンカーで ある。図一1にそれぞれのアンカーの支持機構の概念図を示す。一方，地盤工学会（2000）では拡孔支圧型アンカーの極限引抜き力の発現機構を図-2に示すようにアンカー体の周面摩擦と拡孔部の支圧力を合わせたものであるとしている。