3ロール型，2ロール型リングローリングにおける変形特性の有限要素解析－リングローリングの圧延特性の比較 第2報

摘要

本研究は，2ロール型との比較を通して，3ロール型リングローリングの圧延特性を明らかにすることを目的としている．著者らは前報にて，実験的手法を用いて3ロール型リングローリングの圧延特性を明らかにする試みを行った．すなわち，加工前の被加工材に人工空洞を設け，加工により生じる空洞の変位から材料内部の変位·ひずみ状態を実験的に明らかにした．一方，コンピューターの処理能力向上を背景として，複雑な三次元非定常変形であるリングローリング加工の有限要素解析が近年盛んに行われている．しかし，この場合もほとんどの研究対象は2ロール型リングローリングミルでの加工についてであり，3ロール型リングローリングミルに関する報告事例は極めて少ない．本報では，3ロール型，2ロール型リングローリングに対して，Arbitrary Lagrangian Eulerian Method（ALE法）を用いて有限要素解析を行い，両加工方式で加工を行った場合の相当ひずみ·静水圧応力·延伸効率を導出し，両方式での圧延特性の違いを検証した．