木材自給率が20％以下まで低迷した四半世紀に：4兆円の産業規模と30万人の雇用が消失

摘要

2009年末の森林·林業再生プランから公共建築物等木材利用促進法（2010年10月施行）を経て、2013 年度の木材利用ポイントに至るまで、基本政策の一大転換もあり、林業·木材分野は制度面の追い風を受けているというのが関連産業の一般的な見方だ。木材需要の主流の一方を形づくってきた木造住宅は回復基調にあり（月間木造率は2009 年4月から51カ月連続で50％台）、2008年11月から53カ月連続で百万戸を下回った年率換算値も2013 年5月には54ヵ月（4年半）ぶりに百万戸台を回復した。一時期20％を下回っていた木材自給率は2012 年に、1989年以降の四半世紀では最高の27.9％に達した。しかし、2012年の木材需要量は1989年の62.0％にとどまり（最大需要分野はパルプ·チップ用材で44.0％）、回復は遅々として進まない。