超音波複合振動金属溶接技術－方向性の無い一様で大強度の安定な超音波溶接が実現可能である

摘要

超音波溶接の特性，各種の複合振動系，超音波複合振動溶接装置の構成，振動軌跡，振動特性等につき述べた．複合振動を用いた超音波溶接では必要な振動速度，溶接部静圧力，溶接時間を減少させることが可能で試料の損傷の少ない安定な溶接が実現できる．また溶接の方向性が無くなり，より大きな溶接強度が得られ一様で安定な溶接が実現されている．さらに複合振動を用いることにより多点，連続点溶接，連続シーム溶接が可能である．複合振動は金属の超音波溶接のみでなくプラスチック溶接，振動切削，各種の超音波加工，超音波モータ等にも有効に適用可能であり，2次元さらには3次元の振動が有効であることが分かっているが用途によって最適な超音波振動系の開発が必要である．さらに小型·高周波数の27kHz，40kHzから160kHz以上の画期的な性能を有する複合振動装置も開発しており，使用可能なので様々な用途の開拓とともに実用化を図っていく予定である．