自動車用アルミニウム合金板の連続鋳造圧延技術

摘要

本稿では，自動車のアルミニウム化とそのリサイクルの状況ならびにアルミニウム合金の自動車スクラップを展伸村として再利用するための方法として著者らが実施した，鉄を多く含むAl-Mg-Si系アルミニウム合金再生材に対するTRC製造技術開発について紹介した．自動車ボディ用アルミニウム合金板に対するTRC法の適用は,材料コストの低減化の期待などから注目されるようになってきており，インナー材については，すでに搭載された自動車が市販されるほどになっている．一方，アウター材については，その部位に要求される表面品質を満たすこと，広幅材が安定して量産できる製造条件の確立などが課題として考えられる．今後このような技術が確立されることで,ァルミニウム製ボディパネルの展伸村へのリサイクルが可能となり,循環型社会の一翼を担うようになることを期待したい。 なお，本稿で紹介した内容の一部は，著者らが新エネルギー·産業技術総合開発機構（NEDO）の助成金研究として実施した「アルミニウムの不純物無害化·マテリアルリサイクル技術開発」の成果である．