板およびH形材熱間押出し加工時における押出し金型表面圧力と押出し金型変形量の直接測定

摘要

筆者らはこれまで，被加工材としてA1050アルミニウムを用い，573K～623Kで丸棒を押出し加工したときに押出し金型表面に生ずる圧力分布や濃度分布などを直接測定する方法について検討してきた．その結果，熱間押出し加工時に押出し金型に生ずる圧力が押出し金型中心からの距離によって変化することが分かった．また，レーザー変位計を用いて熱間押出し加工中の押出し金型変形畳を直接測定する方法についても検討し，押出し加工が進むにつれて押出し金型が徐々に変形していくことを明らかにした．最近では，C形材等の比較的複雑な断面形状を有する形材の押出し加工中における材料流動を3次元的に測定，可視化し，型設計に対し有用なデータを得ることが可能となってきている．また，押出し加工中のコンテナに作用する圧力を測定した例などもあり，これら実験結果を，鍛造加工などさまざまな製造分野で利用されっっあるFEM解析による解析結果と詳細に比較検討することができれば，最適な押出し加工条件を見いだすことができる．しかし，実際の押出し加工では本研究でこれまで行ってきた丸棒といった単純な断面形状を有する製品を押出すのではなく，アルミサッシや自動車の車体軽量化に利用されるアルミスペースフレーム，あるいはパーソナルコンピュータのCPU冷却などに利用されるヒートシンクのように複雑な断面形状を有する製品を押出すことが多い．