純アルミニウム丸棒押出し加工時における押出し金型表面圧力分布の測定--アルミニウム熱間押出し加工中の押出し金型変形に関する研究 第1報

摘要

1050アルミニウム熱間押出し加工時に，押出し金型表面に生ずる圧力を直接測定する方法について検討し，以下のような結果を得た。 （1）市販の半導体ひずみゲージ方式の圧力センサと持出し金型構造を工夫することで，押出し温度623Kといった高温状態における，1050アルミニウムの押出し加工中に生ずる押出し金型表面圧力を直接測定することが可能である。 （2）1050アルミニウムを，押出し温度573Kくおよび623Kで押出した時に押出し金型表面に生ずる圧力分布はともに，押出し金型中心から約30mm離れた付近を境にそれよりも成形都側では圧力が一定か低下していく傾向を示す。 一方，コンテナ壁面側に近付くにつれて押出し金型表面に生ずる圧力は低下していく。 （3）1050アルミニウムを，押出し温度573Kおよび623Kで押し出した時に押出し金型表面で直接測定した材料温度は，押出し金型成形部側の温度が高くコンテナ壁面側の温度が低くなっている。また，その温度差は623Kくで押し出した場合10K程度であり，押出し加工中の圧力分布に影響を与えるほど大きくない。 （4）押出し加工中の材料流動は，押出し圧力分布が変化する押出し金型中心から約30mm離れた付近において，金型表面に近い領域における材料流動状態が変化している，相当ひずみ速乾は押出し加工中の材料温度上昇が大きかった成形部付近において最も高くなる。