ゲルキャスティング法によるヒートアイランド緩和材の開発とその環境効果

摘要

ヒートアイランド現象とは，都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象であり，近年，深刻な環境問題として注目を集めている．わが国では2004年に「ヒートアイランド対策大網」1）が策定され，「人工排熱の低減」，「地表面被覆対策」，「都市形態の改善」，「ライフスタイルの改善」の4つの対策が推進されている．現在，これらの社会的要請を受けた建築物レベルでの対応として，建物への光反射性塗料の塗布による熱流入防止や，植物による温熱蓄積の軽減効果を期待した建物の緑化壁，屋上への緑化，保水性建材の開発などが行われている．