21世紀のロボット工学--ユビキタスロボットを目指して

摘要

ロボットはこの世に生まれてきてようやく半世紀を過ごそうとしている。 初めて出てきた遠隔制御ロボットのときから見ると現在のロボットの形態,制御,応用範囲の変化は大変大きい。ロボット研究は,コンピュータの進展と大いに関連している.ユビキタスコンピュータ（Ubiquitous Computing）にならって，ユビキタスロボット（Ubiquitous Robotics）について述べ，これに基づき,さらに21世紀のロボットのあり方について述べる。 歴史的には，1940～50年のウラン核物質のハンドリングから始まった遠隔操作のマニピュレーション技術は1960年のユニメート等産業ロボットへと応用範囲が広がってきた.当時の機械式の遠隔制御,あるいは自由度の少ない油圧式サーボ制御ロボットに比べるとぅ1970年代には，機竜一体化（メカトロニクス）のもと電気式サーボ技術を用いたロボットが出てきた。 これで，メンテナンス性が良くなり使い勝手が良くなり，産業ロボットが大いに使用され，日本が米国をリードするようになってきた．ロボット技術を語るとき計算機の発展なしには語れない。 ちょうど1960年代にIBM360が発表され,計算機も次第に使いやすくなり,飛躍的発展を遂げつつあるときである。 1970年代後半から，1980年代のマイクロプロセッサの技術的発明は，さらに,ロボットコントローラの小型化に結びつき，エレクトロニクス化に拍車がかかった. AGVをはじめとして,産業ロボットが相変わらず中心であったが，点検メンテナンスロボット，医療サービスロボット等のサービスロボットの研究開発が盛んにされた。 この中で，さらに情報化に磨きがかかり,1990年代のネットワーク化に入っていった。