電子顕微鏡分光と第一原理計算によるリチウム電池正極の機能元素電子状態解析

摘要

高効率なエネルギー利用を目指し，リチウム二次電池材料，特に正極材料は，多数の物質が精力的に研究され，各国がしのぎを削っている．そのなかで，層状岩塩型構造（α－NaFeO_2型構造）のLiNiO_2系正極材料は高出力で安価であり，HV/PHVなどの高出力用途で特に期待が持たれている．この構造では酸素の面心立方副格子の隙間に遷移金属とLiが交互に層状に並ぶ（図1）．酸化·還元の電池反応に伴い，層状の2次元平面（インターカレーション面）をLiが動き，脱離·吸歳される．