ポリシラン系前駆体の反応性を利用した炭化物系セラミックスの微細構造制御

摘要

セラミックスのケミカルデザインという題目に対して，有機ケイ素系ポリマーの架橋,焼成過程の多様性を主眼においた本稿は，結果として得られる微細構造制御の手法としてあまりにも間接的かつ迂遠なものという印象を与えたかもしれない。 しかしながら焼成·熱分解というプロセスは少数の例外を除き，分子レベルでの構造の大きな組み替えや連鎖反応的な化学反応過程を必ず含むものである。 そのような過程を通じて，望みの微細構造を保持する，もしくは調製するためには，特定の温度領域における分子間の架橋メカニズムの解明,利用は多大な重要性を有するであろうことを最後に付記しておきたい。