多合金白鋳鉄の連結冷却変熊拳動に護ぼすモリブデン及びタングステンの影響

摘要

多合金白鋳鉄は，炭化物形成元素としてCr，Mo，W及びVをそれぞれ約5mass％（以下％と記す．）含有し，Cのバランス［C_(bal)＝試料申のC％－Cstoich（試料に含有される合金元素に対し，化学量論的に化合する炭素量）］が0となるように2％のCを有することを基本組成とした鋳鉄である．また，基地の高温強度向上に寄与すると考えられるCoを約2～5％含有する鋳鉄も実用化されている．本系鋳鉄では，鋳造時に多種類の高硬度炭化物が晶出する上に，その後の熱処理でも高硬度の2次炭化物の析出が起こり，基地が強化される．そのため，耐摩耗性に優れており，ニハード鋳鉄や高クロム鋳鉄に代わる新しい耐摩耗材料として鉄鋼熱間圧延用ロールや鉱物粉砕ミルの部材などに使用され，その用途も拡大している．