AlNセラミックスのミリ波－HIP複合焼結と熱伝導特性

摘要

一方，HIP （Hot Isostatic Pressure）焼結法は，ガスの圧力を用いてサンプルを等方的に加圧しながら熱処理を行う方法であり，焼結温度の低温化と時間の短縮が期待できる．しかし圧密体をHIP焼結するには高融点材料でカプセル封止する必要があり，事前処理が煩雑であるうえ製品形状が単純なものに制限される．HIPする対象が圧密体ではなくある程度緻密化した試料では，自己カプセル化によりカプセルフリーでの緻密化が可能とされる．本研究の目的は，ミリ波焼結とHIP焼結を組み合わせて，AlNセラミックスの特性向上を図ることにある．ミリ波焼結，カプセルフリーHIPはいずれも固体加圧媒体を必要とせず，複雑形状の焼結体が容易に得られると期待される．