温間金型潤滑成形法によるフューエルインジェクタ用圧粉磁心の開発

摘要

燃費の向上および排気ガスの清浄化性能を高めた次世代のディーゼルエンジン用コモンレール式燃料噴射システムは，1回の燃料噴射中に電磁弁を3～5回開閉し燃料を分割噴射する，いわゆるマルチ噴射を実現するものである。 そのインジェクタに用いるステータ·コアには高磁束密度,低鉄損の磁気特性、高い材料強度以外に作動環境に対する安定性,すなわち耐熱性，化学的安定性が要求される。これらを満足する圧粉磁心を実現するためには，材料面では圧縮性に優れた高純度鉄粉と耐熱性及び電気絶縁性に優れる添加樹脂の組合せ，添加量の最適化が必要である。 また製法面では高密度化が必要となり，内部潤滑剤の添加が許容されないため金型潤滑が必須である。 これらを踏まえ材料及び製法の開発を行った。