近年の電子天秤の動向紹介：＜天秤に求められるもの＞

摘要

精密天秤に最も求められるもの、それは精度である。 しかもそれは今も昔も変わらない。質量測定はいつの時代もすべての計測の基本だからである。 当社、㈱島津製作所は明治8年（1875年）に創業し、精密天びんを手がけたのは大正7年（1918年）のことであったが、当社の基本姿勢は当時から今も変わりない。その基本姿勢とは、精密天びんメーカとして「精度」を最も重要視し続けているということである。 ところが最近では精度はもちろんのこと、測定スピード、操作性、それ以外にも様々な機能が求められるようになっている。 ここのところグローバリゼーションが急速に進展し、世界的にグローバルスタンダード「国際標準」がキーワードとして用いられるほど、それへの対応は益々重要になってきている。ISO9000シリーズなど国際規格との整合性をはかるための機能や最近のIT化を反映する様々な要求も増えている。 本稿では昨今の目まぐるしく変わる要求と当社としての対応を具体的に述べていこう。