温度計校正の不確かさ：＜温度計ユーザーにおける実用的な校正の不確かさ評価方法＞

摘要

湿度標準のトレーサビリティ体系は第1図に示すとおりで、この体系のもとに各段階にて校正が実施され産業界に国家標準にトレーサブルな温度目盛を有する各種温度計が供給される。 温度計の校正ではITS-90 (International Temperature Scale 1990)と呼ばれる国際温度目盛に定義された、金属等の物質の三重点、融解点、凝固点などを実現して校正をおこなう、「定点校正法」と、温槽等の温度発生槽に標準温度計と受検温度計を挿入してそれぞれの指示値を比較して校正する「比較校正法」がある。 校正事業者から温度討ユーザーには、抵抗温度計、ガラス製温度計、デジタル指示温度計など各種温度計が校正され供給されているが、ここでは写真1のような0.001℃分解能を有するデジタル精密温度計を標準温度計として、自社で保有するデジタル温度計、ガラス製温度計（写真2）、校正装置（写真3）等の比較校正をおこなう場合の「校正の不確かさ」評価方法を、温度範囲0℃から200℃における当社の実施事例を交えて紹介する。