マイクロ波加熱炉による革新的製銑技術

摘要

現在，高炉では銑鉄1トン製造するために約500kgのコークス等の炭材を燃焼して2トンの炭酸ガスを放出している．このうち半分は原料の加熱および反応エネルギーに使われる．この部分を電気に変換することにより炭酸ガス発生量を削減できる．従来，電気で鉄鉱石を還元し製鉄を行った例はない．金属の溶解だけである．抵抗電熱やアークによる加熱は波長の短い電磁波である輻射熱によるため固体から固体を生成する反応の場合には効率が非常に悪い．高周波加熱は低エネルギー密度の電磁波のため金属表面しか加熱できないこの中間の波長をもつ電磁波のマイクロ波は粉体に非常に効率良く吸収され自己発熱するので，粉鉄鉱石と炭材の混合粉末から不純物の少ない銑鉄が短時間で効率良く製造できる．