みのまわりの科学（21）時空-4次元の世界

摘要

マイケルソン·モーレイの実験は時間と空間の性質に関するそれまでの考え方に大きな疑問を投げかけました。 物理学史上における最も重要な実験の一つです。 実験結果が正しいとすると,それまで200年にわたって，疑うことが無かったニュートン力学が間違っていることになったのです。 実験結果を説明するために，ローレンツとフィッツジェラルドが独立に考えたのは，運動する物体の＜進行方向の長さが短くなる＞という奇想天外なものでした。 いまから100年ばかり前のことです。 そんなバカなことがあるわけは無いというのが大方の反応でした。単なる数式上の数合わせと考えた研究者も多かったようです。 しかし，この＜長さが短くなる＞ことにも増して，運動している物体の時間が"静止座標系"から観測すると＜進み方が遅くなる＞ことのほうがもっと信じがたいことでした。 この二つを認めるのが1905年アインシュタインによって提案された特殊相対性理論です。