案外知られていない水酸化第二鉄の実像－フェリハイドライトの考察

摘要

2価イオン（Fe~(2+)）は，水環境でも深層水等の無酸素状態環境ではイオン足り得るが，通常の水環境では，常態として存在する溶存酸素で，漸次，酸化され，2価イオン（Fe~(2+)）から1電子(e~-)を放電し，当該電荷が1当量の水酸イオン（OH~-＝e~-＋1/2H_2O ＋1/4O_2）として水域に拡散され，3価鉄イオン（Fe~(3+)）になり，さらに，上述のコロイド状粒子になるためである。ちなみに，コロイド状粒子は，乾燥させると，天然の褐鉄鉱（Fe_2O_3·nH_2O）に相当する固形物になる。本稿では，水酸化第二鉄が，例えば，Fe(OH)_3 の8倍強の錯体になる場合を論ずる。