プラスチックダイによる環境にやさしいチタンの深絞り成形技術

摘要

チタンヤアルミニウムの材料は比強度が大きく、高耐食性に富んだ特性を持っている。 このため、軽量材料として製品需要量が増大しており、主に航空機や自動車分野において広く利用されている。とくに、チタン材料の需要は急速に伸びており、プレス成形による製品化も増えている。 しかしながら、これら軽量材料を用いたプレス成形では、工具との焼付きが発生しやすいので難加工材の一種として取り扱われている。 例えば、探絞り加工を行う場合、被加工材の工具への凝着を防ぐために、潤滑剤、工具材質および皮膜処理の影響に関する多くの研究が行われているのが現状である。 潤滑剤の影響に関する報告では、凝着防止に対してポリエチレンフィルムの有効性があることを示している。銅合金系ダイと二硫化モリブデンを主成分とする潤滑剤を併用することによって、探絞り加工における焼付き防止と限界絞り比が向上することを、また環境にやさしい潤滑剤として小麦粉を用いて純チタン板のエリクセン試験を行い、小麦粉潤滑剤の効果があることをそれぞれ示している。