'脱湿暖化社会'へ向けて，企業とともに

摘要

2月16日に京都議定書が発効した。先進国の温室効果ガス削減の数値目標を定めた初の国際条約が発効したことは，温暖化防止へ向けた国際的枠組みがようやく本格的に動き始めたことを意味する。WWFとしても,温暖化防止を重要なテーマと位置づけている。 地球温暖化は,WWFが従来から重視している野生生物の生存，生物多様性の保全に甚大な影響を与えるだけでなく。 人類が自然と調和しながら，持続可能な資源利用を実現していくかの壮大なるチャレンジでもあるからだ。 温暖化現象の主な原因は，化石燃料の燃焼による二酸化炭素（CO_2）の排出と考えられている。 化石燃料の燃焼の多くは,エネルギー消費に直結し，企業活動にも大きく由来している。日本でのCO_2排出量を部門別にみると,全体の排出量のうち約8割が公共部門および企業活動に，残りの2割が家庭生活に由来している（図-1参照）。 生産活動による直接的なエネルギー消費だけでなく，オフィスでの電気利用,店舗の営業，商品の輸送など，企業活動のさまざまな側面がCO_2を含む温室効果ガスの排出につながっている。