鉄鋼業における水素エネルギー供給のポテンシャル

摘要

製鉄所では従来より，保有する大規模なエネルギーインフラ·技術を活用して，地域へのエネルギー供給（電力，ガス等）を実施してきたが，近年では，高温製鉄プロセス·技術を活用して廃プラスチックを始めとする廃棄物の再資源化にも寄与している。 このように製鉄所は"静脈"と"動脈"の結節点として，社会システムを支える重要な役割を担うようになってきているが，今後ますます，求められる機能は高まるものと考えられる。 燃料電池の実用化が現実味を帯びてきている中．製鉄所が製鉄プロセス副生ガスのみならず，廃棄物エネルギーも組み合わせた高効率な水素製造システムを構築し，水素エネルギー供給の拠点として，燃料電池の普及，更には将来の水素エネルギー社会の実現に向けて大きな貢献を果たすことが期待される。