米国の京都議定書離脱について

摘要

今年，3月にブッシュ政権が突如京都議定書からの離脱を表明した。 理由としては，①目標を達成するには米国経済への悪影響が大きい，①温暖化に関する科学的根拠が不十分である，③途上国に削減目標が課せられず意味がない，をあげている。 ①について札　 京都議定書が採択された暗からわかっていることで，経済への影響が大きいからこそ，削減コストの安い他国での排出削減をカウントできる排出量取引や共同実施などの導入を決めた経緯がある。 また、③についても，将来的な話は別として，2008年～2012年の第1コミットメント期間にはまず先進国が削減目標を持つと決めたわけであり，政権が変わったからといって国際交渉でのスタンスを一転させたことは，国際社会に大きな波紋を投げかけている。 ただし，①については，ブッシュ大統領の発言にも一理あり、温暖化に関する科学的知見はまだ不十分でタ　 どのような削減目標を持てば，温暖化の影響を防げるのかは明らかにされていない。 しかし，IPCCの報告書にもあるように，温暖化への人為的影響は明らかであり，何らかの行動を始めることを中断する理由とはならないであろう。