チューリップの花粉特異的に発現するチューリッポシドB変換酵素

摘要

チューリップ(Julipa gesneriana)組織中にはグルコースエステノレである6-チューリッポシド（Pos)類 (PosA, PosB)が二次代謝産物として著量含まれており、これらはチューリップ組織内在のPosA変換酵素 (tuliposide A-converting enzyme ； TCEA)およびPosB変換酵素（TCEB)によって、ァグリコンのラタトン化体 であるチューリッパリン（Pa) AおよびPaBへとそれぞれ変換される。Pa類は抗菌、殺虫等の活性を示すこ とから、この変換反応はチューリップの化学防御において重要な役割を担っていると考えられる。これまで のtceaの精製と酵素遺伝子（rgrc"ゾ）の同定の結果、tceaは分子内エステル転移によるラクトン形成 反応のみを触媒するユニークなカルボキシルエステラーゼであることが分かっている。今回、我々はPos-Pa酵素変換系の全体像の解明を目的として、TCEBの精製と同酵素遺伝子(JgTCEBl)の同定および機能解 析を行った。