文明史的転換期への対応

摘要

安倍晋三内閣総理大臣は、年初の施政方針演説の中で「次の50年、100年の荒波に耐えうる新たな国家像を措いていくことこそが私の使命であります」と決意を表明した。 産業革命以降19世紀の石炭文明を経て20世紀は石油文明となり、化石燃料費消によって経済総生産は拡大を続けて来た。 石油は世界一次エネルギーの約4割、輸送用エネルギーの約9割を供給し、合成樹脂、繊維、ゴム、化学品、医薬品などの原料である。 第2次世界大戦後、中東の巨大油田の発見開発によって、豊富で安価な石油供給を享受できたわが国は、勤勉な日本人の努力によって高度技術工業国として世界第2位の経済国家となることができた。 この原油が高価格定着するようになり世界経済に甚大な影響を与え、鉄鉱石、非鉄金属、石炭はじめ資源価格の高騰を誘発し、国際政治と通商秩序に影響を与え始めている。 寡資源国日本の対応は急務である。