プラスチック屋の材料力学講座：その1 プラスチック成形材料の部品設計と安全係数

摘要

プラスチック材料の基本的性能は、ASTM/JIS/ISOに準じた測定結果がデータシートに表示されているが、成形部品の設計には、データシートの水面下に潜在する項目も必要となる。 例えば、温度·時間依存性、クリープ、成形品の残留ひずみ·熱ひずみ、水分の影響、成形中の加水分解、シャープコーナーの応力集中、充填密度、耐薬品性、ESCR、ガラス転位温度(Tg)、耐候劣化、熱酸化の経時変化などである。プラスチック材料は弾性体と粘性体の特性を併せ持っている。ポリマーの化学的性質、めっき·接着、材料力学の理論はさほど進歩していないようにも思える。 また、せん断強さ、脆化温度、磨耗、摩擦、硬度、疲労などは試験法自体の意義も充分に理解されているとはいえない。