傾斜機能材料－その魅力と応用展開：［事例·トピックス］－宇宙用3接合太陽電池材料·構造への傾斜機能の応用

摘要

III-V族化合物単結晶薄膜を用いた高効率3接合太陽電池について、材料の見地から紹介する。 この太陽電池は多層膜構造を有しているが、全体的には半導体物性の観点から傾斜構造を有しているとみることができる。 ここではその構造的機能について概説する。 近年、単結晶Ge基板上への高品質III-V族化合物単結晶薄膜の結晶成長技術の発達に伴い、トップセル（表面側）にInGaP、ミドルセル（中間）にGaAs、そしてボトムセル（裏面側）にGeを用いた、変換効率30％を超える高効率の3接合太陽電池が実現されている。 従来、人工衛星などに用いられる宇宙用太陽電池は、変換効率17％程度の単結晶Si太陽電池が主流であった。 しかし現在は、特に大電力が要求される衛星などでは、この高効率3接合太陽電池が使用されている。 写真は代表的な宇宙用3接合太陽電池の外観とサイズである。