研究·技術開発者のための特性基礎講座～攻めの特許·守りの特許，これだけは押さえたい特許有効活動法：侵害·非侵害を決めるもの～簡単な「クレーム解釈論」

摘要

今回は、特許権侵害訴訟で、何が侵害·非侵害を決めるかについて考える。 企業の研究·技術開発者と特許について話をすると、明細書作成や、出願、特許庁とのやり取り（拒絶理由通知への対応）等の権利化の場面に関して詳しい人も多い。 しかし、権利の活用法について、特に、特許権侵害訴訟で侵害·非侵害がどのようにして決まるかをご存知の方は極端に少ないように感じる。 確かに、全国の地方裁判所における知的財産権関連事件の新受件数は年間数百件のレベルであり、各研究·技術開発者が、直接訴訟に係る機会はほとんどない。 しかし、特許権侵害訴訟で、侵害·非侵害を決めるもの（決めるルール）は、特許権活用のいたる場面、例えば、和解、ライセンス及び譲渡交渉等での基本的判断基準になるばかりでなく、有効に活用できる特許権を取得するためにも知らなければいけないルールとなる。 知的財産を有効活用するために、ぜひ侵害·非侵害を決めるルールの考え方についてご理解いただきたい。