連載：プラスチック開発海外情報(60)－標準の射出成形機でコインジェクション成形を可能にする新しい“ツインショット”システム

摘要

通常の射出成形機を改造するだけでコインジュクション成形が可能になる技術が開発され、注目されている。 "ツインショット"システムと名付けられたこの技術は、ツインショットテクノロジーズ社によって開発されたもので、従来から使われている2組の射出成形機を必要とするコインジェクション成形技術よりも大幅な投資コストおよび製品コストの削減を可能にしたものである。 コインジュクション成形は、日本ではサンドイッチ成形とも呼ばれているが、2種類の樹脂を使って、コア層をスキン層で完全に包んだ構造体を作る成形方法で、単一成分の樹脂では得られない多くの特徴をもった成形品を得ることができる。なかでもリサイクルされた樹脂をコア材に使うことによって、リサイクル材の品質をあまり気にせずに、美しい外観のスキン層を成形できることから、自動車のバンパーフェイシャーなど、リサイクルされた樹脂の有効活用に、きわめて有望な成形技術である。 今回は、ツインショットテクノロジーズ社が開発した"ツインショット"システム（写真1）と従来のコインジェクション成形との改良点およびその応用製品について紹介する。