繊維充てん液晶ポリマーの押出成形と配向性（2）--繊維充てん系のストランド状押出成形物の動的粘弾性

摘要

先月号~1)の「繊維充てん液晶ポリマーの押出成形と配向性」では「無充てん系のストランド状押出成形物の動的粘弾性」と題して筆者らの研究成果を紹介した0これまで繊維充てん汎用ポリマーについては溶融状態、固体状態の動的粘弾性に関する多くの研究報告がなされている。すなわち、繊維、粒子などの充てん材を樹脂に混合·分散することにより融液中の分散材は複雑な構造を形成し、分散粒子間に相互作用が生じて溶融粘度や固体、液体状態の弾性的性質などのレオロジー的性質を特性付ける各種因子の影響、相関性を明らかにすることを目的として活発な研究が進められてきた~(2)~16))。 一方、液晶ポリマーでは優れた力学的性質発現のメカニズムを解明するための構造物性面での研究はまだ少なく、分子量や分子量分布の微細構造、熱的性質、力学的性質などへの影響、固体状態での微細構造（非晶や結晶組織）の特徴など高分子特有の問題が未解決であり、またレオロジーに関する研究もまだ十分ではない。