ラム波AEを用いた円筒タンク底板腐食損傷位置の標定--人工音源を用いた位置標定精度

摘要

円筒タンク底板の腐食によって発生するAEから，音源位置標定を行なうための基礎実験を，開放点検中の直径32.93mの円筒空タンクを用いておこなった。ポータブルポンチによる軽衝撃でアニエラ板および底板上で励起したラム波を，アニエラ板テラスに設置した4種類のAEセンサで検出し，2種類の解析システム（研究室開発システムADASと商用システムC-AEAS）を用いて位置標定をおこなった。ADASはすべての検出波形をディジタルデータとして一旦コンピュータに取り込み，事後処理によってラム波Aoモード初動波の到達時間差と仮想音源走査法を用いて音源位置を標定した。一方C-AEASでは，しきい値到達時間差を用いて即時に位置標定した。ADASは，ヘッドアンプ内蔵の中心周波数が30kHzと60kHzのセンサをそれぞれ4個ずつ，C-AEASは8個の50kHzと200kHzのセンサを使用した。 得られた結果は以下の様に要約される。