超音波波形解析によるTiNi金属間化合物中の微小ボイドの定量的非破壊評価

摘要

超音波水浸探傷法を適用することにより，チタン材料中の100μm程度の溶接欠陥を検出可能であることが従来の研究で示されている。しかし，超音波の減衰および散乱を考慮すると，検査周波数を必要以上にあげることはできず，本実験にて採用した30MHzの周波数においては，TiNi中を伝搬する超音波の波長はおよそ180μmとなるため，カーケンダルボイドなどの微小ボイドを直選的に検出することは非常に困難である。 そこで本論文では，集束型探触子を採用した超音波水浸探傷法を用いて，微小ボイドを内在するTiNiに対する非破壊検査システムを試作し，微小ボイドの検出およびその定量的評価について，検討，考察を行うことを目的とした。