MOTデームの真偽--日本発の技術経営確立を

摘要

技術経営（MOT）ブームである。 大学ではMOT専門大学院や講座新設が相次ぎ，セミナーはサラリーマンやベンチャー経営者が押し掛け，どこも盛況だ。 その幾つかに参加しての正直な感想は「本当に有効なのか」だった。 杆坤喂趣蛟饯à毪去扩`ウィンの海が待っている」など米国のビジネススクール受け売りの講演を聞かされたためか，米国の物まねでない日本発の技術経営が今こそ必要と感じた。中村修二米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授は「こっけいな日本のMOTブーム」と看破する。 MOT教育が本当に必要なのは技術を知らない経営者であるのに，日本では一般社員が熱心に学んでいる。企業内研究者の最大のミッション（使命）は社会や企業に貢献する成果を早く創出することにあり，経営用語の知識を増やすだけのMOTに時間を割く余裕はないはずだという。