PLC進化の胎動－これからの役割と最新応用事例：【ユーザ：最新事例】マーガリン工場リニューアルにおけるPLC計装の適用

摘要

近年，食にかかわる消費者ニーズが多様化し，さらに健康志向の高まりから，多くの人が“食”の安全·安心に気を使うようになってきた。このような消費者ニーズに対応するため，食品を生産·加工する工場においては，多品種，少量生産に対応できる体制をとるとともに，製品のトレーサビリティに対する取り組みが重要な要素となっている。 そのため，生産管理システムや在庫管理システムの導入が行われている。㈱東京カネカフードは，化成品，樹脂製品，電子材料，食品，合成繊維，医療機器，医薬品など，幅広い事業を展開している㈱カネカの食品製造子会社で，マーガリンをはじめとした食用加工油脂製品を製造している。 昨年，埼玉県入間郡にある東京カネカフードの工場においてリニューアル工事を行った。 この工事は㈱日立プラントテクノロジーが請け負い，既設の上位システムから生産指示を受け取って，処方管理，在庫管理を行う日立プラントテクノロジーが独自に開発したMES（Manufacturing Execution System：製造実行システム）を導入した。さらに，MESは下位のバッチ管理システムに製品の製造指示を出し，その指令を受けたPLCが実際の製造設備の自動制御を行っている。このシステムの導入により，短納期，多品種少量生産を効率的に行え，製品のトレーサビリティが確保できる工場にリニューアルすることができた。 今回，このリニューアル工事の概要を紹介する。