シミユレーシヨンによるメカトロニクス機器フアームウエア開発の革新

摘要

ロボット，コピー機などに代表されるメカトロニクス機器は，メカニズム（以下，メカと略記），ソフトウェア，電気回路（LSI）が一体化して機能を実現する組込みシステムである。 近年，組込みシステムの機能はますます高度化，複雑化しており，その設計にあたってほ三要素のバランスのとれたシステム設計が重要となってきている。 更に仁開発期間の短縮，品質向上,コストダウンといった要求は強くなる一方であり，複雑な設計を効率的に行うために，抜本的に設計のやり方を見直す必要に迫られている。 われわれは，年々その開発量が増加しているソフトウェア設計，電気設計などの視点から，まずファームウェア（メカを制御するソフトウェア）の設計革新に注目した。 ファームウェア設計革新を実現するために，上流設計から実装設計に到る各フェーズでシミュレーションによる機能検証を行いつつ設計を段階的に詳細化するスパイラル設計手法を実現するためのシミュレーションツールVisual Mech_(TM)を開発し，各種メカトロニクス製品の設計に適用している。 ここでは，シミュレーションツールの概要とともに，マッサージチェア開発に実際に適用した例について述べる。