高空係留浮揚体の風力発電と通信技術·環境計測への応用

摘要

日本の上空を高度5千から1万5千メートルにかけて，西から東へ吹き抜けるジェット気流を利用して，凧のように無人の有翼浮揚体をケーブルで係留させる．翼につけた風車で発電してケーブルで地上へ送電するほかに，高空からの無線中継·デジタル放送·レーダ基地，あるいは地上の測量や環境·交通監視基地など多目的への利用が考えられる。 ジェット気流は，ちょうど日本の上空を絶え間無く吹くことで，まさに天与の自然エネルギーと言える．ジェット気流の中心は，高度1万メートル付近にあり，風速は弱いときで30m/s，最大100m/sを超えるが，このエネルギーは今のところ航空機が燃費の節約に利用しているだけである．