CLIPPERS

摘要

CLIPPERS (呼称：クリッパ一ズ）は，2010年に， Pittockらによつて提唱された臨床および画像的 に新しい中枢神経の炎症性疾患である.亜急性の複 視，失調，構音障害などを主症状とレ,MRIにて橋を 中心とした特徴的な点状?結節状の造影効果を伴 い，ステロイド治療に良好に反応する.病理学的には， 血管周囲のCD3+およびCD4+を優位とするリンパ 球浸潤を主体とし，モノクローナルや非典型的なリン パ球，壊死，巨細胞，血管炎（血管壁の破壊，フイブ リノィド壊死，白血球破砕，フィプリン血栓）の所見 を欠く状態である.病因は不明であるが，多発性 硬化症に対するナタリズマブ投薬中止後や，イン フルェンザワクチン接種後に生じた報告例や，ステロイド?免疫抑制剤への反応性から何らかの免疫 反応が推測されることや，血中IgE高値の症例報告 もあり，アレルギー反応などの可能性も推測されて いる.