不動産のバリューアップに貢献するランドスケープデザイン

摘要

これからのランドスケープデザインには不動産ビジネスの感覚が必要である。 つまり単に意匠デザインによる差別化というサービスの提供にとどまるのではなく，イニシャルの建設コストはもちろん，運営や管理コストの低減をも考慮し，不動産のバリューアップに貢献するプランニングとデザインのサービスが求められている。 まず,最近の不動産ビジネスの動向を見てみよう。 ここ数年で日本の不動産業界および金融業界は20世紀型のキャピタルゲインを狙う不動産ビジネスから，不動産から得られる収益自体を最大化するインカムゲイン型の不動産金融ビジネスへとシフトしたのは周知の通りである。 インカムゲイン型の不動産金融ビジネスでは，①収入の最大化②支出の適正最小化を図り当該物件のNOI（Net Operating Income-家賃収入から諸経費を引いた単年度の純利益）を向上させることが至上命令となる。