コミュニティ·デザイン特集によせて

摘要

また，行政職員の方からこんな話を伺ったことがあります。 「市民とのパートナーシップ事業で，休日に出勤したのだが，手当てをもらった。 市民の方は，手弁当で活動している。手当てをもらうことに後ろめたさみたいなものを感じる」と。この講が問いかけてくるのは，市民とのパートナーシップには，行政の側にだけではなく，市民の側にも手間も隊もかかっていることを，この行政職員の方は自覚されていることにあると思います。 実は，こうした手間や隙が，公共空間のマネージメントには，意外と多くあるのでないでしょうか。 全国各地で本格化しつつある地域通貨の試みは，インフォーマルでありながらも公共的性格をもつ「善意」の市民活動を，きちんと評価しようとする読みであると考えられます。 地域通貨の試みが進展していけば，公共空間のマネージメントには，数多くの市民の活動が必要で，非常に大きなウエイトを占めていることが明らかになるでしょう。さらには，公共空間のマネージメントに関わる行政や企業，専門家のあり方の見直しが進められるでしょう。