化学機能解析研究分野

摘要

本研究分野では，"複合分子の物理化学"について，主に電子スピン共鳴（ESR）分光とラマン分光法を用いて研究を行っている。 2003年の研究活動は，以下のようにまとめられる。本研究では，電子スピン共鳴（ESR）法により，溶液中の励起分子の動的電子構造とスピンおよび分子運動ダイナミクスの解明をめざす。この研究は,我々の研究室で初めて観測に成功した溶液中の三重項のスペクトルとその解析により可能になった。 本年は,3つのポルフィリン（亜鉛：Zn,マグネシウム：Mg，フリー：H_2TPP）励起三重項のスペクトルをトルエン溶液中，20Kから360Kまでの温度範囲で再測定するとともに，スペクトルシミュレーションの再検討を行い，以下のように定量的な結果を得た。