出版バイアスと発表倫理

摘要

発表なくして研究活動は完結しません.発表倫 理に着目することで，研究活動全体を集約的に検 証できる視点になるのではないかと考えていま す.今日取り上げる主要な話題は，製薬企業主導の臨床試験，ゴースト.ォーサ一シップ，open peer reviewなとこでで.出版バイアスででが，ポジティブで有意な結果 を示す研究のほうがネガティブな結果よりも出版 される傾向にある，positive-outcome biasと呼ば れるものです.これは少し狭い定義で，もう少し 広い形で定義されていいのではないか.URM (Uniform Requirements tor Manuscripts Submitted to Biomedical Journals ：生物医学雑誌 への統一投稿規定）は世界標準的なものとして認 められていますが，その中に，細心の注意を もって実施された研究は主要評価項目であれ，付 加的項目であれ，統計学的有意性の有無に関わら ず掲載を真剣に考慮すべき，それが著者にも編集 者にも求められる，と述べられています.