Patient Expectations and Perspectives on Issues in Clinical Research

摘要

「患医ねつと」の鈴木信行と申します.壇上の私をご覧いただければわかるように，私は身体障害者です.私自身，二分脊椎症（spina bifida)という病気です.この病気は，母親のおなかの中にいる10週から15 週において，発症します.胎児の段階で，背骨の発育がうまくいかず，内部にある中枢神経系に障害が生じます.私の場合は腰椎で発症しており，そこから下部の感覚が非常に鈍いです.また，足の機能障害， すなわち足を自由に動かせないという障害もあります.さらに，腰より下の感覚はありませんので，排せ つ障害なども持ち合わせています.またもう一つ，はたちの時に癌の一種である精巣腫瘍を発症いたしました.精巣腫瘍とは，睾丸にできる癌です.発症は大学3年の二十歳の時でした.外科的な手術と化学療 法を行い，寛解になりました.大学卒業後，製薬企業に入り，製剤化研究に携わりましたが，まもなく癌 が再発，腹部リンパ節などへの転移が認められ，再度外科的な手術，そして杭がん剤治療を行い現在に至ります.