連載 知っておきたい企業会計-第3回-キャッシュフロー計算書の役割

摘要

この連載の第2回では，貸借対照表，損益計算書の役割について述べました。今回はそれら2つの財務諸表と同等に扱われているキヤッシュフロー計算書について触れたいと思います。キヤッシュフロー計算書の歴史は，先に説明した貸借対照表，損益計算書に比べて浅く.日本では，有価証券報告書における添付が義務づけられてから10年程度となっています。これは，いわゆる会計ビッグバンと呼ばれた会計の国際的潮流への同調の一環としての動きだつたのですが，その背景としては貸借対照表，損益計算書のみでは表すことのできない「キャッシュフロー」という情報の重要性が高まってきたからにほかなりません。そして，現在ではキャッシュフロー計算書も定着し，貸借対照表，損益計算書と合わせて「財務三表」と呼ばれるようになっています。